2010553 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

第2話 変わり行く運命

ボーナスセール2005夏 アニメNEON GENESIS EVANGELION Vol.01

ボーナスセール2005夏 アニメNEON GENESIS EVANGELION Vol.01

第2話 変わり行く運命

親戚の家に預けられる。

そう言えば、良くある話のようですが、実際は捨てられたようなものでした。
シンジ君を連れてきたその日以来、父親は全く姿を見せなくなりました。

手紙一つ、電話一本さえも来ませんでした。

シンジ君はまだ4歳の子供です。
あの親父から離れられて清々した、なんて思いません。
毎日淋しい思いをして暮らしていました。

預けられた先の親類というのがまた、よく有るパターンとはいうものの、親類とは名ばかりの、養育費目当ての赤の他人だったのです。

それでも、優しい人達ならどんなに良かったか。
その人達は・・・・・・・、「阿龍組」という看板を掲げた本物のスジモンでした。

毎日、ろくな物も食べさせて貰えず、虐待を受けるシンジ君。
ついに耐えきれなくなり、家出をしてしまいました。

とは言ってもお金もろくに持っていない子供のこと。
暗く寂しい山の中でシクシクと泣いていました。

すると、養家の子分共が群を成して山狩りを始めました。
シンジ君が居なくなると養育費が貰えなくなるので、必死に探し始めたようです。

夜の山の中で、人相の悪い連中が、

「くおら!どこ、隠れてけつかんねん!」

「うぉら~!さっさと出てこんかい!」

などと叫びながら、木刀やら、ポン刀やら鉄パイプを振り回しながら、近づいてきます。
シンジ君、恐怖のためにチビりそうです。

もう、隠れている場所のすぐそばまで近づいています。

「う、うわああああああああああああああああああ!!!!!」

恐怖のあまり、シンジ君はめくらめっぽう走り始めました。

ふっ、と全ての感覚が消失したその瞬間。
シンジ君の体は、谷底へと真っ逆様に転落していました。



谷底で横たわるシンジ君。
もう、息をしているのかどうかさえ分かりません。
どれ程の傷を負ってしまったのか調べることさえ無意味でしょう。

彼の命は、今にも消えかけていました。

それからしばらくして、スジモン達がそこを訪れた時、シンジ君の姿はその場から消えていました。

第3話に続く


© Rakuten Group, Inc.